旭硝子、タイの塩ビ企業ビニタイ社を買収

旭硝子は欧州化学大手、ソルベイ(ベルギー)のタイにある塩化ビニール樹脂子会社を買収する方針を固めた。買収額は400億~500億円とみられ、旭硝子のM&A(合併・買収)で過去最大となる。塩ビ樹脂は水道管や建材に多く使われる素材。インフラ投資が進むアジアで需要が急増しておりタイやインド、西アジアの成長市場を開拓する。  ソルベイがグループで58%を保有するタイ子会社、ビニタイ社の株式をソルベイから取得する。両社で最終調整しており、月内にも合意する見通し。ビニタイ社はタイの塩ビ樹脂2位で生産シェアは約3割。2015年の売上高は約166億バーツ(約530億円)。  塩ビ樹脂は上下水道管や住宅のサッシなどインフラや建設資材で不可欠な素材。経済成長を背景にアジア(日本除く)での使用量が多く、14年は2144万トンと10年前の2倍以上になった。  旭硝子は自動車などに使われるガラスの世界大手。近年の収益源だった液晶用電子ガラスの需要が減るなか、化学品市場が拡大する東南アジアに注力している。インドネシアに基幹工場があり、ベトナムでは14年に現地の塩ビ樹脂企業を買収した。タイでは基礎化学品のカセイソーダの生産にとどまっていたが、ビニタイ社の買収で塩ビ樹脂関連に品目を広げる。塩ビ樹脂のアジア市場(日本含む)は台湾FPC、韓国LG化学、東ソーが上位3社。旭硝子はビニタイ社を拠点に西アジアも見据えた広範な化学品の供給網を整え、上位企業を追う。  化学業界では米総合化学大手ダウ・ケミカルと同業大手のデュポンが合併を決めた。世界規模での化学再編が進むなか、旭硝子は16~20年までにM&Aに3千億円を投じる戦略を打ち出す。化学品は主力のガラス事業に続く収益基盤と位置づけ、今後もライフサイエンスや医農薬中間体などで買収を検討する。ソルベイも15年に航空機用の炭素繊維などを手がける米素材大手を6820億円で買収した。高機能製品に注力しており、汎用品の塩ビ樹脂は撤退方針を出していた。