森・浜田松本法律事務所、タイの法律事務所を買収

国内大手の森・浜田松本法律事務所(東京・千代田)はタイ大手の法律事務所を買収する。日本の法律事務所が海外大手を傘下に収めるのは初めて。弁護士60人の体制としてアジア全域の拠点事務所と位置付け、地域で旺盛なM&A(合併・買収)などを法務面で支援する。法律事務所のグローバル化が本格化する。  弁護士50人弱を擁する法律事務所チャンドラー&トンエック(バンコク)の全株式を、森・浜田松本の現地法人、MHMタイランドが取得することで、このほど合意した。チャンドラーは来年1月をめどに「チャンドラーMHM」に改称する。買収額は非公表。  日本の大手法律事務所は近年、相次ぎタイに拠点を設けている。森・浜田松本もバンコクオフィス(弁護士5人)を構えるが、ミャンマーなど周辺国も視野に入れた法務需要の高まりを考えると従来の取り組みでは不十分と判断、現地大手との経営統合に踏み切る。  日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、タイは企業数、直接投資額で日本企業の東南アジア最大の進出先。地域をカバーする統括法人を置く日系企業も増えており、タイでM&Aや資金調達などを意思決定するケースが目立つという。  日本の法律事務所は2000年以降、国内で統合を重ねて所属弁護士100人超の大手が生まれた。最大手の西村あさひは国内外で500人超を擁し、アンダーソン・毛利・友常が400人強で続く。森・浜田松本は現在、長島・大野・常松、TMI総合とともに約370人で大手の一角を占めており、タイでの統合後は2位に浮上する。  大型化で日本企業の海外展開に応えてきたが、国際的なM&A案件などでは、全世界で数千人規模の弁護士を擁する米ベーカー&マッケンジーなど外国事務所に仕事を奪われることも多かった。