リクルート、宿泊サイトのゆこゆこネットを地銀連合に売却

福岡や静岡などの有力地銀が連合を組み、初めて一般事業会社を買収する。狙いは地方創生。日銀がマイナス金利政策に踏み込んでも融資が爆発的に増えないとされるが、がんじがらめの金融規制の中、銀行も知恵を絞って地元に資金供給する。  リクルートは27日、地銀連合などとリクルート子会社の宿泊予約サイト「ゆこゆこネット」の株の売買契約を結んだと正式発表した。特別目的会社「ゆこゆこホールディングス」が8月下旬にもゆこゆこ株を全株取得する。取得費用は202億円。  今回の買収の狙いは地方での雇用創出にある。地方銀行のある幹部は「地元の企業はお金ではなく、仕事をほしがっている」と話す。計画では、ゆこゆこの会員600万世帯向けに、旅館の空き室対策を拡充するため誘客を強化したり、特産品などの通販に参入したりする。福岡銀や静岡銀の取引先に客を呼び込み、増収支援に踏み込む。  ただ今回の支援スキームは複雑だ。銀行には融資以外に地域の企業を救う手立ては少ないのが実情。事業会社買収も難しい。銀行法は銀行が単体で事業会社に5%以上の出資を原則禁止しており、支配権を握る買収の決断は極めて難しい。今回は福岡銀と静岡銀が系列ファンドを経由して資金を出し、さらに投資ファンドのユニゾン・キャピタルが出資する“迂回戦術”をとった。  銀行法は銀行による支配を防ぐため、株式取得を大幅に制限している。ファンドに運用を委託しても、自己資本比率を計算する時の負担が重く、投資したくても投資しにくい環境は続く。一方で、金融庁は地方創生への協力を求める。地銀は規制の中で地元への資金供給をどう増やすか。「融資」から「投資」への流れに注目が集まる。