三菱UFJ信託、米投信の資産管理会社ライデックス・ファンド・サービシズを買収

三菱UFJ信託銀行は世界最大の米投資信託市場で資産管理業務に参入する。年内にも邦銀として初めて米大手資産管理会社を約200億円で買収する。買収後の管理残高は約39兆円と、総合的な管理を手がける金融機関で世界6位になる。邦銀の海外進出は採算が悪くなった投融資から、安定収益を見込める資産運用管理へ広がってきた。  買収するのは米ライデックス・ファンド・サービシズ。米国で発売した投信を中心に管理残高は535億ドル(約5.5兆円)と米国10位の規模だ。近く株式の売買契約を結び、年内にも買収完了を目指す。親会社の米グッゲンハイム・パートナーズは独立系の大手運用会社で世界に25拠点を展開している。  投信の業務には大きく分けて資産の運用と管理の2つがある。運用業務は株価や為替相場などの変動で収益が大きく変動する可能性があるが、顧客の運用資産の時価を算出したり、当局への報告書を作成したりする管理業務は安定した手数料収入が見込める。  三菱UFJ信託は2013年以降、海外でヘッジファンドや投資ファンドの資産を管理する4社を買収してきたが、市場がより大きい投信の資産管理には手を出せずにいた。今回の買収でヘッジファンドから投信までを網羅する総合的な管理サービスを提供する体制が整う。管理残高は3780億ドル(約39兆円)へ大きく拡大し、米ステート・ストリートやJPモルガン・チェースなど上位の米国勢を追う存在になる。  米国の投信市場は残高が18兆ドル(約1800兆円)と世界の6割を占め、日本の20倍近い。市場はここ数年9%程度で成長しており、買収後もビジネスの拡大が見込めると判断した。  資産管理会社の有力な顧客となるブラックロックなどの大手運用会社は、ヘッジファンドや投信など主要なファンドをすべて扱える総合管理会社を選ぶ傾向にある。米国の大手投信管理会社を買収することでその条件を満たし、欧米大手と渡り合える体制が整うことになる。  三菱UFJフィナンシャル・グループ全体にとっても、安定的な収益が期待できる資産運用・管理の事業は成長戦略の重点課題になっている。日銀のマイナス金利政策で国内の運用環境は悪化。世界経済が減速感を強めるなか、海外での投融資は損失リスクを抱えかねなくなっている。